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2024.06.14

システム

研修管理システムとは?人事業務を効率化する機能やシステムの選び方

企業において、自社の未来を担う人材を育成するために、社員教育や研修は欠かせません。
多くの企業では、新人教育やスキル習得を目的とした研修のほか、個人情報保護法やコンプライアンス、情報リテラシーなどさまざまな研修が行われています。
しかし、多様な研修の実施と、それに伴う管理業務に課題を感じる企業も少なくありません。
効率的かつ円滑に研修を管理するためには、研修管理システムの導入が有効です。

この記事では、企業の研修をサポートする研修管理システムについて、概要や機能を詳しく紹介していきます。
研修管理システムの選び方についても、ポイントをおさえて分かりやすく解説しています。

1.研修管理システム(LMS)とは?

研修管理システム(LMS)とは

研修管理システムは「LMS」とも呼ばれ、企業や組織が社員教育や研修を効率的に管理するためのシステムです。
※LMS・・・「Learning Management System(ラーニング・マネジメント・システム)」

従来はエクセルで社員名簿を作成し、研修内容や受講者の参加状況、成績などを管理する方法が一般的でした。
しかし、手作業での入力が必要となるため、研修管理に貴重な労力や時間を費やしてしまうことが課題となっていました。手作業であるが故のヒューマンエラーや、業務の負担に頭を悩ませた経験のある担当者様も多いのではないでしょうか。
研修管理システムを導入することで、研修スケジュールや受講者の管理などがスムーズになります

また、研修に関わる業務を一つのシステムで管理できるというだけでなく、研修に関する情報を可視化できる点も大きなメリットです。
研修管理システムでは、受講者の進捗状況や成績などを数字やグラフで管理でき、研修の効果が分かりやすくなります現状の研修内容の改善や、新たに必要な研修の検討に役立つでしょう。

研修管理システムは管理機能だけでなく、オンライン上での研修も容易に行えるようになります。
eラーニング教材の管理や配信が可能になり、受講履歴がシステムに蓄積されます。製品によってはシステム上で教材制作も可能です。
研修管理システムの導入により対面研修をオンラインに移行することができ、研修に関わるリソースが大幅に軽減されます


2.研修管理システム(LMS)の機能一覧

研修管理システム(LMS)の機能一覧

研修管理システムには、研修を円滑に実施するために多彩な機能が搭載されています。
基本的な機能に大きな差はありませんが、研修工程をどこまでカバーするシステムなのか、どんな目的で利用されるかによって、機能は異なってきます。

  1. (例)
  2. ①eラーニングの配信&成績管理がメインのシステム
  3. ②研修全体(集合研修・オンライン研修・eラーニング含む)を管理するシステム
  4. ③商用利用に対応しているシステム

ここでは機能を網羅的に解説しますが、システムによってできる範囲が異なることを理解し、導入の際は必要な機能を見極めるようにしてください。

1.研修概要の登録 

研修管理システムでは、研修に関する情報を登録できます。
登録できる項目は、研修の内容や受講の対象者、定員設定など。
対面研修であれば日時や会場などの情報を登録でき、eラーニングを用いて研修を行う場合には、受講期限やテスト・アンケートの設定などを行います。

  • <できること>
  • ・管理者:研修概要の確認
  • ・受講者:研修概要の登録・周知

2.研修申し込み受付・キャンセル

企業が対象者に研修を受けさせる場合は不要ですが、受講者が研修を選択して受講するような場合は、研修管理システム上で受付することが可能です。
オンライン上で対象の研修を選択し、受講の予約やキャンセルを行います。
管理者は受講者の予約状況をリアルタイムで確認でき、定員などの空き状況に応じて受付やキャンセル処理が可能です。

製品によっては受講の申し込みに一定の条件を設けたり、先着順にして受講定員を制限したりといった設定も可能となるため、受付フローがさらに効率化されます。他にもキャンセル待ちを自動で繰り上げる機能や、研修の受講日をお知らせするリマインドメールの自動送付などもあり、業務の簡略化に大きく貢献してくれるでしょう。 

  • <できること>
  • ・管理者:申し込みの受付・進捗確認
  • ・受講者:研修の申し込み・キャンセル

3.受講料の決済・入金管理

有料の研修を行う場合や、研修管理システムを活用して研修教材を社外に販売する場合などは、システムの機能を利用して入金管理を行うことも可能です。

請求金額や期日の設定ができ、受講料の支払い状況はすぐにシステムに反映されます。
必要に応じてIDやパスワード、請求書や領収書を発行する機能も搭載されています。

便利な決済機能ですが、すべてのシステムに搭載されているわけではありません。
有料の研修の実施や社外への販売を予定している場合には、決済機能の有無を確認しておくことをおすすめします。

  • <できること>
  • ・管理者:請求金額・期日・決済方法の設定
  • ・受講者:受講料の支払い

4.受講者情報の管理

研修管理システムでは、受講者の氏名や所属などの情報管理ができます。
グループ分けや階層分けができるため、システムに自社の組織図を落とし込み、特定の部署や役職者に研修を割り当てることも可能です。

また、グループごとに管理者を設定し、そのグループ内の研修に関する管理権限を付与することができます。
これにより、研修担当者の負担を減らすことができるだけでなく、グループの管理者が直属の社員の受講履歴や成績を把握できるため、より具体的なフォローが可能になるでしょう。

5.研修の出欠確認・管理

受講者の出席状況に関する情報の管理を行います。
管理者は誰がどの研修に参加しているかを確認できることはもちろん、今までの参加履歴や今後の予定の確認も可能です。
受講者はご自身の出欠登録ができ、研修の進捗状況の確認ができます。

  • <できること>
  • ・管理者:受講者の出欠・進捗確認・履歴確認
  • ・受講者:出欠登録・進捗確認・履歴確認

6.学習コンテンツ(eラーニング)の配信

学習コンテンツの配信機能は、研修管理システムにおいて要になる機能のひとつです。
eラーニングを活用したオンライン研修では、動画やアニメーションを用いたコンテンツを公開でき、受講者はシステムを利用して学習に取り組みます。

学習コンテンツを受講する順序の設定ができるため、段階を踏んだ学習が可能です。
また、修了テストを実施することができ、初級のテストに合格した受講者のみ中級に進めるといった設定や合格ラインの条件も設定できます。

学習コンテンツに関しては、製品によりアップロードできる教材の仕様が異なるため、何のファイル形式に対応しているか事前に把握しておくことが大切です。コンテンツの制作機能が搭載されているシステムもありますが、操作性や自由度に違いがあるので、詳細を確認しておきましょう。

  • <できること>
  • ・管理者:学習コンテンツの制作・配信
  • ・受講者:学習コンテンツの受講

7.研修前後の課題・テスト・アンケート管理

研修の前後に課題やテスト、アンケートを実施し、管理する機能があります。
課題の提出状況はシステム内で管理できるため評価の判定に役立ちます。
テストの成績に関してもシステム内で集計できるため、研修の効果測定が容易です。
受講者の理解度に応じて学習コンテンツの品質やテストの項目を見直すなど、研修内容のブラッシュアップにも有用な機能です。

  • <できること>
  • ・管理者:課題/テスト/アンケートの制作・配信・確認
  • ・受講者:課題/テスト/アンケートの実施・提出

8.受講者へのメール通知・リマインド

必要に応じて、受講者への一斉メール配信が可能です。
メール通知の条件を設定しておくと自動で送信されるため、管理者の負担を軽減します。

  • ・研修の受付確認
  • ・研修前のリマインド
  • ・受講開始の案内
  • ・未受講者への受講案内
  • ・課題提出の督促

製品によっては本文をテンプレート登録したり、ファイルを添付したりする機能も備わっています。

  • <できること>
  • ・管理者:通知メールの作成・設定
  • ・受講者:通知メールの確認

9.受講者の評価やフィードバックの管理

テストやレポートなどの課題に対して、受講者の評価をつけることができます。
テストはシステム内で自動採点ができるため、担当者の手間を省き、採点ミスなどの心配もありません。
レポートやアンケートなどもシステム内で提出し、管理者は内容の確認やコメント入力が可能です。

紙ベースであれば、テストを作成して印刷して受講者に配布、回収後に採点を行い再度配布する…といった一連の作業が必要ですが、研修管理システムを活用すればシステム内で完結します。受講率やテスト結果が数値化されるため、eラーニングによる研修の成績を人事評価に反映させる場合にも役立ちます。

  • <できること>
  • ・管理者:受講者の評価・フィードバック
  • ・受講者:フィードバックの確認

10.修了証の発行

製品によっては、研修の全課程を修了した後に修了証の発行ができるシステムもあります。
受講者が自分で発行できるため、研修担当者の業務削減に貢献する便利な機能です。
修了証発行機能は、対応していないシステムがあったり、オプションで追加する必要があったりするので、活用を検討している場合は要確認です。

11.研修効果の測定

研修管理システムによっては、受講の履歴やテストの成績だけでなく、さまざまなデータを集計できるものもあります。
受講者個人の得意・不得意分野の分析や、グループ毎のテストの平均値の算出、受講者の集中度の計測値など、それらのデータを基に、研修効果の測定が可能です。

システム内ですべて完結するので、集計や入力作業も必要なく担当者の負担が少ないうえに、正確で詳細なデータが集計できて効率的です。個人へのフォローはもちろん、社員教育の計画に基づいた結果が出ているかが確認でき、研修内容の見直しにも役立つでしょう。

研修に関するデータ内容の項目は製品によって異なります。
例えば、テスト結果に関して点数のみ集計するシステムもあれば、問題別の正答率までデータ化するシステムなど、さまざまです。
研修の効果を正確に把握し、研修内容の改善や受講者の人事などにも活用したい場合には、集計できるデータ内容を事前に確認しておくことをおすすめします。

>>eラーニングの配信や受講管理がしたい方におすすめのLMS
   「Learning Tracker」の機能を見てみる


3.研修管理システム(LMS)の選び方

研修管理システムの選び方

多彩な機能を搭載し、研修の実施をサポートしてくれる研修管理システムですが、自社に合ったシステムでなければ、その効果を十分に発揮できません。

「機能が多すぎて、複雑で使いにくい」
「必要な機能が搭載されていなかった」

といった事態にならないよう、自社の研修フローの課題や導入の目的を明確にし、状況を改善できるシステムを選ぶことが重要です。
ここからは、研修管理システムの選び方について、おさえておきたいポイントを確認していきましょう。

利用目的に合うシステムを選ぶ

研修管理システムを選ぶにあたって、まずは自社の利用目的を明確にします。
何を目的に研修管理システムを導入するかによって、必要な機能や重視する項目が異なるためです。

例えば、以下のような目的が考えられます。

  • ・研修業務の効率化
  • ・研修のオンライン化(eラーニングの実施)
  • ・教育ビジネスの運営 など

日程の調整や成績管理など、研修に関する管理業務が一番の課題である場合は、管理機能が充実したシステムが最適でしょう。

 研修をオンライン化したいのであれば、ラーニング機能が搭載されているシンプルなシステムで事足ります。また、研修コンテンツを利用できるシステムであれば、教材準備の手間も削減できるでしょう。
「情報リテラシーやコンプライアンスなど、最新の内容を学習したい」
「研修教材は自社にある既存のものを活用したい」
「オリジナルのコンテンツを制作したい」
といった要望を明確にし、対応した機能が搭載されているかを確認する必要があります。

利用目的や社員教育の戦略を明確にし、ニーズに合致するLMSを選ぶことが成功のカギです。

自動化できる業務の範囲を考慮する

さまざまな業務を自動化し研修フローを効率化できる研修管理システムですが、製品によって自動化できる内容が異なります。
自社に最適な研修管理システムを選ぶには、どれだけ業務を自動化できるかも重要なポイントです。

自動化できる業務の範囲が広ければ広いほど、人事担当者の負担を軽減することができます。しかし、自社に不要な機能が搭載されていると、システムが複雑で使いづらくなり、かつ無駄なコストが発生することになります。
現状の研修フローの問題点や自動化したい部分を明確にし、必要な機能が搭載されているシステムを選びましょう。

カスタマイズ性があるか確認する

利用用途により、既存の機能だけでは不十分な場合は、機能をカスタマイズできるのか事前に確認しておきましょう。

例えば、既存の人事システムとの連携を行えば、受講者の成績評価の反映が容易になります。研修の成績を反映させた人事や組織作りを計画している場合は、チェックしておきたい項目です。
また、デザインやロゴを自社オリジナルのものにしたり、テーマカラーを自社のイメージカラーにしたりと、デザイン面でカスタマイズできるシステムもあります。

受講者が使いやすいシステムを選ぶ

研修管理システムを選ぶにあたって、受講者の使いやすさを考慮することを忘れてはいけません。
管理者にとっての利点だけを重視したシステムではなく、メインのユーザーとなる受講者にとって使いやすいシステムであることが重要です

例えば、受講するプログラムが多い場合、どれが受講済みでどれが未受講なのか分かりにくい状態になっていると、受講率の低下が懸念されます。
検索機能やカテゴリ分けなど、受講者が研修プログラムをスムーズに探せるシステムを選ぶことで、受講率の向上を図れるでしょう。

現在、提供されている学習管理システムはマルチデバイス対応のものが多くなっています。操作性やデザインは各システムによって異なるため、操作しやすく分かりやすい画面であることが大切です。

  • <受講者が使いやすいシステムのポイント>
  • ・操作画面が分かりやすい
  • ・情報の確認や検索がカンタン
  • ・マルチデバイス対応


4.まとめ

この記事では研修管理システムの概要や、利用できる機能、システムの選び方について解説しました。
手作業では多くの時間と労力の必要な研修管理業務ですが、研修管理システムを活用することで、さまざまな業務が自動化・簡略化されます。

i-netschool(アイネットスクール)では、企業の研修管理をサポートするLMS「Learning Tracker」を提供しています。シンプルで使いやすい仕様のため、初めてのLMS導入にもおすすめです。
豊富な経験がありプロの目線でのアドバイスが可能ですので、システム導入を検討されている場合はお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人
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i-netschool 編集担当

i-netschoolはeラーニング事業歴20年以上。これまでのノウハウをもとに、eラーニングに関するお役立ち情報を発信しています。

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