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コラム
研修管理をExcelで行う課題は?脱エクセルで業務の効率化を図る方法
企業の発展には、個々のリテラシー向上・能力向上など社員一人ひとりの成長が必要不可欠です。
そのため、社員研修の重要性が高まっており、さまざまな研修が実施されています。
しかし、全社員の研修運営と管理を円滑に行うことは容易ではありません。
以前はエクセルを用いた研修管理が一般的でしたが、DX化の流れに後押しされ、システム管理へ移行している企業が増加しています。
この記事では、従来のエクセルによる研修管理の課題を明確にし、管理業務の効率化をサポートする研修管理システムについて解説します。
現状の研修管理に負担を感じている担当者様や、より効率的に研修管理を行いたい担当者様は、ぜひ参考にされてください。
1.研修管理をエクセルで行うデメリットと課題
まずは、エクセルでの研修管理の課題について、詳しく確認していきましょう。
全て手作業で行うため管理に手間がかかる
エクセルでの研修管理は、多くのデータ入力や更新、管理を手作業で行う必要があります。
例えば、一つの研修を実施するにあたって、以下のような項目のデータ入力や作業を行います。
- 1. 対象者リストの作成
- 2. 当日の出欠状況
- 3. テストやアンケートの結果
- 4. 受講者の評価
そのほか、対象者へ研修概要や日程を周知したり、内容によっては修了証を発行したりといった業務も必要になるでしょう。
これらの作業は、担当者にとって負担が大きく、コア業務に集中できなくなる懸念があります。また、手作業であるために非常に時間がかかることや、ヒューマンエラーが起こることも考慮すべき点です。
受講履歴の管理や集計に時間が必要になる
エクセルを使用した研修管理は、受講履歴の管理やデータの集計にも多大な時間を要します。
研修管理に特化した機能がないため、入力したデータを基に、手作業での整理や分析が必要となるためです。
例えば、研修プログラムごとにファイルを分けて受講者の出欠や成績を管理している場合、受講者個人のデータ集計ひとつをとっても大変な作業です。複数のファイルを閲覧し、どの研修プログラムに参加しているのか、また各研修での成績などを確認してデータを集計しなくてはなりません。
セキュリティ上のリスクがある
研修管理では、社員の氏名・所属などの個人情報や、個人の成績や評価などの人事データを取り扱います。
複数人で管理を行う際には、パスワードの共有や複数端末からのアクセスを前提とした管理体制になるため、保管場所やパスワード管理に注意する必要があります。
2.研修管理をより効率化するなら「研修管理システム(LMS)」がおすすめ
研修管理を円滑に行うには、「研修管理システム(LMS)」の導入が有効です。
研修管理システムとは、研修管理に特化した機能が充実しており、企業や組織が社員教育や研修を効率的に運用できるシステムです。
「eラーニングシステム」や「LMS」とも呼ばれ、学習コンテンツの配信もできるため、管理だけではなく研修そのもののオンライン化にも活用されています。
※LMSは「Learning Management System(ラーニング・マネジメント・システム)」の略語
- 主な機能は、次の通りです。
- ・研修のスケジューリング
- ・社員の所属管理
- ・研修教材の制作・編集・配信
- ・研修の受講
- ・受講履歴・成績の管理
研修管理システムを導入することで、今まで必要だった業務が大きく軽減されるため、エクセル管理よりも効率的な研修管理が可能です。
研修管理システムについては、こちらで詳しく解説しています。
>>研修管理システムとは?人事業務を効率化する機能やシステムの選び方
「研修管理システム(LMS)」を導入するメリット
研修管理システムを導入するメリットについて、確認していきましょう。
エクセルでの研修管理をシステム管理に移行することで、次のようなメリットがあります。
- ・研修管理業務の効率化が図れる
- ・データの正確性が向上する
- ・データが可視化される
- ・情報共有が容易になる
- ・ユーザーの利便性が向上する
- ・セキュリティ対策が充実している
それぞれのメリットについて、エクセル管理との比較や具体例なども紹介しながら詳しく解説します。
研修管理業務の効率化が図れる
- 研修管理システムは、
- ・受講者への受講案内の自動化
- ・対象者への研修教材の配信
- ・テストやアンケートの提出・集計
- など、さまざまな業務に活用することが可能です。
研修の実施履歴や成績だけでなく、研修に関わる多くの業務を一元化でき、研修の運用を効率的に行えます。
今まで手作業だった工程が自動化されることや、eラーニングを活用することで階層別や組織単位でのオンライン研修が簡単に実施でき、研修担当者の負担が大幅に軽減されます。
データの正確性が向上する
エクセル管理では、データの入力や更新が手作業であるために、入力ミスなどのヒューマンエラーが起こりやすい点が課題でした。
研修の受講率や成績などを人事にも反映させる場合、研修に関するデータは重要な判断要素です。
研修管理システムを活用すれば、テストの採点や記録も自動化され、入力ミスの心配もありません。
さらに、研修の受講率やテストの正答率など、さまざまなデータの集計が可能です。エクセル管理よりも正確なデータを集計でき、より細かな分析が可能となります。
データが可視化される
研修管理システムではさまざまなデータが可視化され、確認作業などが容易になります。
例えば、研修の出欠やeラーニングの進捗、アンケートの提出の有無などもシステム内に記録されます。
従来であれば、研修担当者が手作業でリストなどを作成して確認が必要でしたが、研修管理システムを活用すれば、研修担当者の負担が減り、システム内で一覧で状況が確認できます。
また、システムによっては受講者個人や所属別に受講率やテストの成績など、さまざまなデータが集計され数字やグラフで表されます。
研修の効果が分かりやすく、人材教育の成果や研修内容の改善における重要な判断材料として役立つでしょう。
情報共有が容易になる
研修管理システムは、社内での情報共有ツールとしても有用です。
研修に関する資料や学習コンテンツだけでなく、製品情報や業務マニュアルが共有でき、社内ポータルのようなツールとしても活用できます。
研修の運用に加えて、日々の業務効率化にも貢献してくれる実用性は、大きなメリットとなるでしょう。
受講者の利便性が向上する
研修管理システムは、研修担当者だけでなく受講者にとっても役立ちます。
研修管理システムを導入すれば、受講する研修の確認や実施、テストやアンケートの提出もシステム内ですべて完結します。
さらに、eラーニングを活用することで、個人が都合の良い時間に受講でき、通常業務への影響も軽減されます。
セキュリティ対策が充実している
現在提供されている多くのクラウド型の研修管理システムでは、サービス提供会社がきちんとセキュリティ対策を行っています。
製品によっては多要素認証やIP接続制限なども可能なため、不正アクセスを防止できます。
さらに、多くのシステムでは定期的なチェックや更新があり、常に最新のセキュリティ環境を用いて運用できるため、安心です。
「研修管理システム(LMS)」と「エクセル」の比較表
研修管理システムを導入するメリットはご紹介した通りですが、具体的に研修に関わる業務の工程はどのくらい変わるのでしょうか。
集合研修を行う場合の作業工程を、研修管理システムとエクセル管理で比較して、確認していきます。
研修管理システム(LMS) |
エクセル |
|
研修の登録 |
・対象者を一括で登録 ・自動で案内を送信 (部門やグループ単位で簡単に設定可能) |
・対象リストを作成し、手作業で案内送信 |
資料の配布 |
・システム内で配布が可能 |
・メールで配布する ・資料を印刷して配布する |
研修のリマインド |
・研修日の前日など、設定した日に自動で通知できる |
・手作業でメールを作成・送信する |
研修当日の出欠確認 |
・システム内で出欠登録できる |
・受講者の出欠を確認し、エクセルに入力する |
テスト・アンケートの実施 |
・システム内で配信・回答が可能 ・未提出者へのリマインドメールも自動送信できる |
・メールでの案内や用紙を印刷して配布 ・提出の有無を確認し、未提出者に個別に連絡をする |
受講者の評価 |
・自動採点が可能 ・受講履歴や成績が自動で記録される |
・手作業で採点が必要 ・受講履歴や成績を確認し、エクセルに入力する |
研修効果の測定 |
・受講率や成績など、さまざまなデータを自動で集計する ・表やグラフにまとめられる |
・必要なデータを手作業で集計する |
※製品によって機能の差があるため、一部異なる場合があります。
このように、集合研修ひとつをとっても、研修担当者が行うべき作業が大幅に減るだけでなく、時間や正確性の面でもメリットが大きいことが分かります。
また、研修管理システムでは、学習コンテンツの制作や配信も可能です。eラーニングを活用して研修をオンライン化することで、より効率的に社員教育を行えます。
eラーニングについて詳しく知りたい方は、こちらでご確認ください。
>>eラーニングとは?システム選び~教材制作まで徹底解説!
3.まとめ
この記事では、エクセルによる研修管理について、具体的なデメリットや課題、研修管理システムとの作業工程の比較を解説しました。
研修管理ひとつとっても、さまざまな業務やリスク管理が組み合わさっています。研修管理システムを導入すれば、多くの作業が自動化・簡略化され、研修をスムーズに運用できるでしょう。
「脱Excel」が、研修管理の効率化を成功させるカギです。
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