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コラム
スケアウェアとは?手口や被害リスクと具体的な対策方法を解説
「ご利用のPCからウイルスが検出されました」
「正常にご利用いただくために、対策ソフトをインストールしてください」
突然PCに現れた警告文、もしかしたらスケアウェアかもしれません。
スケアウェアとはサイバー攻撃の一種で、警告を装って不正なソフトのインストールや情報窃取を図ります。
近年はさまざまなサイバー攻撃が蔓延しており、そのターゲットも大手企業から中小企業と幅広く、被害も甚大です。
特にスケアウェアはユーザーの不安をあおる警告文で冷静さを失わせるため、対策には日常的なセキュリティ意識の向上と、実践的なスキルの習得が求められます。
本記事では、スケアウェアの特徴や具体的な手口について分かりやすく解説し、企業が実施すべき対策や従業員への教育方法も紹介します。
学習効果の高さに定評のあるeラーニングコースもご紹介しますので、従業員への情報セキュリティ教育をご検討の際にはお役立てください。
1.スケアウェアとは
スケアウェア(scareware)は、「scare(怖がらせる)」と「software(ソフトウェア)」を組み合わせた造語で、ユーザーに強い不安を与えて特定の行動を促す不正ソフトウェアを指します。
まずは、スケアウェアの特徴や、同じサイバー攻撃の中でもよく耳にするランサムウェアとの違いについて押さえておきましょう。
スケアウェアの特徴
スケアウェアは、ユーザーが利用中の端末に偽の警告画面を表示させて不安をあおり、不正なソフトウェアのインストールや情報入力を促します。
例えば、「お使いのPCからウイルスが検出されました」といった警告文が突然表示され、対策ソフトのインストールなどの対応を促されます。
多くの場合、見た目は本物のセキュリティソフトの警告やメッセージに酷似しており、即座に見破るのは難しいでしょう。
突然の警告で冷静な判断ができなくなるユーザーも多く、ITリテラシーが高いユーザーでも騙されてしまうことがあります。
スケアウェアの主な目的は、ユーザーの不安な心理を利用して不正ソフトのインストールや個人情報の入力など、攻撃者の期待する行動をとらせることです。
表示された警告の指示通りに進めてしまうと、金銭の支払いに誘導されたり、さらに深刻なマルウェア感染を引き起こしたりする恐れがあります。
スケアウェアはシステムの破壊や情報漏洩などの直接的な攻撃ではなく、金銭詐取のための足がかりや、さらなるサイバー攻撃の前段階のステップとして利用されるケースが多いのが特徴です。
ランサムウェアとの違い
スケアウェアとよく比較されるのが、ランサムウェアというサイバー攻撃の手口です。
ランサムウェアは近年被害が増加しているサイバー攻撃の一種です。
大手企業の被害がニュースになることも多く、独立行政法人「情報処理推進機構」が発表する「情報セキュリティ10大脅威ランキング」でも毎年上位にランクインしています(※)。
※出典:情報セキュリティ10大脅威 2025 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
スケアウェアもランサムウェアも、マルウェア(悪意のあるソフトウェア)の一種であり、個人や企業にとって脅威ですが、その手口や主な目的は異なります。
まず、スケアウェアは偽の警告文でユーザーを恐怖に陥れ、不正なソフトのインストールや情報の入力に誘導するものです。
対して、ランサムウェアは端末内のデータを暗号化するなどしてシステムを使用できなくし、復旧と引き換えに金銭を要求します。
ランサムウェアが実際にシステムに被害を与える一方で、スケアウェアは「まるで被害があるかのように見せかける」のが特徴です。
しかし、近年ではランサムウェアを装ったスケアウェアの手口も確認されています。
データやファイルの暗号化がされていないにも関わらず、暗号化したと偽って復旧と引き換えに金銭を要求する手法です。
要求に従うと事態がより深刻になる危険性もあるため、警告文の内容を鵜呑みにせず、冷静に判断することが求められます。
スケアウェアとランサムウェア、いずれも悪意を持ったサイバー攻撃ではありますが、スケアウェアは端末やデータを即座に人質に取られるわけではありません。
ランサムウェアに比べて簡易的な手口であるため日常的に遭遇する可能性も高く、初動対応がカギとなります。
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スケアウェア |
ランサムウェア |
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手口 |
警告文で不安をあおり、不正ソフトのインストールや情報入力を促す |
端末内のデータやファイルを暗号化し、身代金を要求する |
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主な目的 |
新たなマルウェア感染・情報の窃取 |
金銭(身代金)を要求 |
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症状 |
動作が明らかに不安定 一定のタイミングで「ウイルスに感染しました」などのポップアップが表示される |
重要なファイルが暗号化され、拡張子が異常な形式に変更される 画面がロックされ、PCが操作不能になる |
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被害の実態 |
端末が即座に使用不可になることは少ない |
端末やシステムが即座に使用できなくなる |
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金銭要求 |
必ずしも要求されるわけではない |
金銭要求が主目的 |
2.スケアウェアの手口例

スケアウェアの概要や、その特徴について理解していても、実際に警告文が表示されると焦ってしまう場合が多いものです。
スケアウェアがどのような手口でユーザーの不安をあおるのか、いざという時の判断材料として事前に確認しておくことが重要です。
ここからは、スケアウェアの具体的な手口の事例について解説します。
有名な大手企業を装う
スケアウェアでは、誰もが知っている有名な大手企業を装った警告文や、案内メッセージを表示させる手口が確認されています。
特に、大企業と比べて比較的セキュリティが甘い中小企業は狙われやすいため、注意が必要です。
セキュリティが堅固な大企業のシステムに侵入するために、取引先である中小企業を足掛かりにするパターンが多く見られます。
例えば、MicrosoftセキュリティセンターやGoogleサポート、Appleサポートなど、実在する社名を騙るだけでなくロゴやデザインも巧妙に模倣するため、見分けがつきにくいことも特徴の一つです。
日常的に端末やツールを利用している場合、それらの企業を装ったメッセージが届いたら信用してしまうユーザーも多いでしょう。
大手企業に対するユーザーの信頼感、攻撃者はまさにそれを悪用するのです。
大手企業を装ったスケアウェアの一例
「Microsoft セキュリティセンター」
【Windows Defender セキュリティセンター】
検出された脅威:トロイの木馬スパイウェア
このPCへのアクセスはセキュリティ上の理由でブロックされています。
Windowsサポートへのお問い合わせ:〇〇-〇〇〇(無料電話)
「iOS」
お使いのiPhoneが〇個のウイルスにより深刻なダメージを受けています!
まもなく、iPhoneのSIMカードが破損し、連絡先、写真、データ、アプリケーションなどがダメージを受けます。
これらのスケアウェアは、誰の端末にも現れる可能性があります。
企業の規模に関わらず、従業員一人ひとりがセキュリティに対する意識を高く持つことが大切です。
実在する企業のテクニカルサポートを装う
大手企業でなくても、実在する企業を装って信用させようとする手口も見られます。
警告文やエラーメッセージを一度は疑ってみても、問い合わせ先が実在する企業を名乗れば信用してしまう場合が多いでしょう。
問い合わせ先として記載された電話番号やメールアドレスが本物と見分けがつきにくいように設定されていることも、ユーザーが信じてしまう要因の一つです。
このように、実在する企業のテクニカルサポートを装って電話やチャット、メールでユーザーと接触し、警告文とは違った角度からユーザーを混乱させます。
指示に従って端末を操作すると、偽のアンチウイルスソフトのインストールを促されたり、クレジットカード情報の入力へと誘導されたりします。
企業名が実在したとしても、本当にその企業から連絡が来ているとは限りません。
ポップアップ画面やメールに記載された問い合わせ先に簡単にアクセスせず、公式のホームページやカスタマーセンターに改めて問い合わせてみましょう。
公的機関を装う
スケアウェアによくある手口の一つが、警察などの公的機関を装うパターンです。
「ご利用の端末から違法なコンテンツが検出されました」
「不正なコンテンツが存在するため、罰金の支払いが必要です」
など、より強い圧力をかけ、ユーザーを激しく動揺させます。
公的機関の名前を利用することで被害者に拒否できない心理を植え付ける、巧妙な手口です。
多くの場合が罰金と称して不正に金銭を搾取しようとしており、支払いが完了するまでポップアップを出し続けるなど、ユーザーが従わざるを得ないような状況に追い込みます。
画面がフリーズしてしまったり、警告音が鳴ったりと、手が込んだ手法で不安をあおるスケアウェアもあり、冷静な判断ができないように仕向けられます。
現在の日本の制度では、警察がネットや電話を利用してユーザーに連絡を取り、金銭の支払いを要求することはありません。
近年では交通反則金の支払いがクレジットカードや電子マネーでも可能になるなど、キャッシュレス化が進んでいますが、手元にある正式な納付書のバーコードからアクセスする必要があります。
取り締まり行為から反則金の徴収まで、すべてがオンラインや電話で行われることは考えにくいため、対面でないコンタクトの場合はサイバー攻撃や詐欺を疑いましょう。
警察官や、その他公的機関の担当を名乗る相手からの指示は簡単に信用せず、冷静に対応することが重要です。
3.スケアウェアによる被害リスク
「怖がらせるソフトウェア」を意味するスケアウェアですが、もちろんその目的はユーザーを怖がらせることではなく、金銭や個人情報などの重要な資産の窃取・詐取です。
スケアウェアを足がかりに、企業や個人にとって深刻な被害がもたらされる可能性があります。
スケアウェアによる被害の例として、以下のようなリスクが考えられます。
- ・個人情報や機密情報の窃取
- ・金銭の詐取
- ・端末のパフォーマンス低下
- ・マルウェア感染
- ・情報漏洩
- ・信用の失墜
個人の場合、スケアウェアの指示に従い情報を入力すると、住所や氏名などの個人情報の他、クレジットカード情報を悪用される恐れがあります。
偽ソフトの購入や罰金という名目で金銭を詐取される可能性もあり、特に業務端末で被害に遭うと、会社の資金が狙われることになるでしょう。
また、不正なソフトウェアをインストールさせられることにより端末のパフォーマンス低下を招き、さらに深刻な被害をもたらすマルウェアに感染するリスクも高まります。
こういった実害が重なると情報漏洩やシステムの停止など、業務に多大な影響が出る事態に発展し、最終的に社会的な信用の失墜につながります。
その場合、被害者はサービスの利用者や顧客など何万人という単位になることも考えられ、状況によっては賠償金などの経済的な損失や法的責任を問われる可能性もあるでしょう。
4.スケアウェアへの対策

スケアウェアへの具体的な対策は、例えば次のようなものが挙げられます。
- ・セキュリティに対する意識や攻撃を見極められる知識を持つ
- ・不審なリンクやポップアップは開かない
- ・ソフトウェアを常に最新の状態にする
- ・対策ツールを用いる
情報セキュリティに関する知識を持つことで得られるメリットは、スケアウェアを含むさまざまなサイバー攻撃に対する理解が深まり、被害を未然に防げることです。
知識を持ち、不審なリンクに対する適切な対応が可能になれば、感染のルートを遮断できます。
端末のアップデートや対策ツールの活用など、ソフト面の対策は脆弱性をカバーしてくれるメリットがあります。
従業員と端末、どちらもミスやエラーなく完璧に動作することは難しく、攻撃者がつけ入る隙は生まれてしまうものです。
それを念頭に置いた上で、どちらに対しても適切な対策を施すことが重要です。
ここからは、対策の具体的な内容について、詳しく確認しておきましょう。
セキュリティに対する意識や攻撃を見極められる知識を持つ
企業の場合、従業員に定期的に情報セキュリティ教育を行い、意識の向上を図りましょう。
スケアウェアをはじめ、多くのサイバー攻撃はユーザーの知識不足や「自分は大丈夫だろう」という心理的な隙を突いてきます。
重要なのは、自分を過信せずサイバー攻撃の事例や手法を正しく理解することです。
スケアウェアで実際に使われる文言や、怪しい警告の特徴、見極めのポイントなどを理解していれば、被害を未然に防ぐことにつながります。
スケアウェアやランサムウェアなど、多くのサイバー攻撃は従業員の行動一つで大きな被害を生む感染につながってしまいます。
従業員のセキュリティ意識の程度が、サイバー攻撃回避のカギといっても過言ではないでしょう。
従業員一人ひとり、そして企業としてのセキュリティリテラシー向上のために、情報セキュリティ教育は必要不可欠です。
不審なリンクやポップアップは開かない
適切な初動対応によって、感染リスクは大幅に減少します。
不審なリンクやポップアップは安易に開かず、冷静に対応することが重要です。
また、表示された問い合わせ先には直接連絡せず、公式のホームページや正規のサポート窓口を利用しましょう。
こういった対応について、一従業員の判断で対処するのではなく、社内の担当者に相談するなど社内体制の整備と周知徹底も求められます。
ソフトウェアを常に最新の状態にする
ソフトウェアは、常に最新の状態にしておきましょう。
年々、手口が巧妙化していくサイバー攻撃に対し、ソフトウェア提供会社も既存のソフトの脆弱性をカバーするアップデートを行い、対処しています。
つまり、更新を怠ると古いソフトの脆弱性を突いた攻撃のターゲットになる可能性が高まってしまうということです。
ソフトウェアを最新の状態に維持することで、既知の脆弱性を悪用したスケアウェアを防ぐことができます。
対策ツールを用いる
対策ツールの導入は、スケアウェアやさまざまなサイバー攻撃に対して効果的です。
アンチウイルスソフトやファイアウォールなど、目的に応じた製品を利用してスケアウェアの検知やブロックを行います。
最新の製品ではAI技術の導入や、より高度な防御機能の搭載など、増加し続けるサイバー攻撃に備えられるよう性能の向上が図られています。
特に、AIを利用した製品では、膨大なデータから過去の攻撃パターンや現在のトレンドを学習し、未知の脅威でさえもブロックすることが可能です。
5.スケアウェアへの対策を徹底するためには

スケアウェアへの対策を徹底するためには、企業全体でのセキュリティ意識向上と、ソフト面の整備が重要です。
中でも、従業員に対する情報セキュリティ教育はスケアウェア対策の要ともいえるでしょう。
感染を引き起こしてしまうクリックが従業員によるものであれば、つまりそれを阻止できるのも従業員であるからです。
自社を守ることに直結する情報セキュリティ教育は、企業が今後も長期にわたって安定し、成長を続けていくために不可欠です。
企業の未来が左右される要素といっても過言ではありません。
長期的な視点で考え、将来的に大きな費用対効果が得られる重要な「投資」と捉える必要があるでしょう。
従業員への情報セキュリティ教育には、eラーニングの導入が効果的です。
eラーニングによる情報セキュリティ教育には、次のようなメリットがあります。
- ・対応デバイスとネット環境があれば、どこでも学習できる
- ・分からない部分は繰り返し学習できる
- ・PCを使った実践的な学習や訓練ができる
- ・最新の情報を反映したeラーニング教材で学べる
- ・確認テストで従業員の理解度や進捗を確認できる
情報セキュリティという分野だからこそ、普段から利用している端末で実践的に学べるeラーニングの効果は高く、多くの企業で導入されています。
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6.まとめ
この記事では、スケアウェアの特徴やそのリスク、具体的な対策について解説しました。
スケアウェアは、ユーザーの不安な心理を利用した悪質なサイバー攻撃です。
仮にスケアウェアに気付かず、情報の入力や新たなマルウェア感染を引き起こした場合、その被害は個人だけでなく企業全体の信用や、事業の継続にも大きな影響を及ぼします。
スケアウェアのリスクを十分に理解し、適切な対策を講じることが重要です。
eラーニングを活用した継続的な情報セキュリティ教育により、最新の脅威にも柔軟に対応できる体制を整えましょう。
また、情報セキュリティの中身に加えて、定着させるための「継続」と、従業員1人ひとりが理解できているのかも大切です。
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