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2024.02.20

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eラーニングの導入は意味がない?原因を知ってより効果を上げる方法は?

eラーニングとは、パソコンやスマートフォンを使用した学習システムのことを指します。
担当者がスケジュール調整をしたり場所を確保したりすることなく、オンラインで従業員研修を実施・管理できるため、コロナ以降需要が高まりました。
しかし、「eラーニングは導入しても意味がない」、「eラーニングを導入したけれど効果を実感できなかった」という声があるのも事実です。

今回はなぜeラーニングを導入しても効果がなかったのか?効果を上げるにはどうしたらよいのか?を解説します。これからeラーニングを導入しようと考えている担当者の方や、eラーニングの導入に成功したい方はぜひ最後までご覧ください。

eラーニングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
>>eラーニングとは?システム選び~教材制作まで徹底解説!

1.eラーニングを導入しても意味がないと感じる理由は?

eラーニングは導入しても意味がない?

eラーニングを導入して「意味がない、効果が得られない」と感じるのは、以下のような理由が考えられます。

【管理者側】

  • ・eラーニング学習の効果が分からない
  • ・受講者が自主的に学習してくれない

【受講者側】

  • ・長時間のコンテンツが多い
  • ・実践に直結するコンテンツがない
  • ・対応できるデバイスやOSが少ない
  • ・学習中に質疑応答やディスカッションができない
  • ・受講意欲・モチベーションの維持が難しい

管理者側、受講者側で理由が異なるため、それぞれ順番にご紹介していきます。


管理者側|eラーニングは意味がないと感じる理由

eラーニング学習の効果が分からない

eラーニングを導入し研修や教育の仕組みは整ったものの、「eラーニング学習できちんと知識が身についているのか・・・」と疑問に感じる担当者さまもいるでしょう。
しかし、研修・教育の効果はすぐに実感できるとは限りませんし、可視化すること自体が難しいものでもあります。

受講者の学習度合を測る指標の例としては、受講者がきちんと受講しているかの「完了率」や、教材を視聴したあとの「修了テストの点数」などが挙げられます。
管理者として目指すべき指標をたてることで、eラーニング導入の効果や改善点が見えやすくなるでしょう。

受講者が自主的に学習してくれない

eラーニングは、受講者の自主性に100%委ねてしまうと「eラーニングを導入しても意味がなかった」という結果に終わることがあります。
個々の学習意欲や学習時間の取り方によって進捗状況にバラつきが出てしまったり、後回しにされ受講してもらえないといったケースが起こるのです。

このような事態は、管理者が学習目的や受講期日を事前に受講者に共有し、学習進捗や受講状況をしっかり把握することで防ぐことができます。


受講者側|eラーニングは意味がないと感じる理由

長時間のコンテンツが多い

「eラーニングでしっかり学習をして知識を身に付けてほしい」という管理者側の気持ちから、1つのコンテンツの時間が長くなってしまうこともあるでしょう。
しかし、長時間のコンテンツは受講者の集中力が続かなかったり、学習時間の確保が難しいことから、学習効率を下げる原因になります。

適切なコンテンツの長さについては、記事の後半で解説します。

実践に直結するコンテンツがない

実践的な内容が少なく、概要をつらつら説明しているだけのコンテンツは受講者の学習意欲を低下させてしまう可能性があります。
また、eラーニング教材の作成から数年が経ち、内容が古くなっている場合も注意が必要です。

古いコンテンツのまま受講者が学習を進めると、現在の業務フローとは異なり実践に直結せず、結果として学習意欲の低下や、身に付けた知識やスキルを活かせません。
受講者にとって役立つ内容であるか定期的に見直す必要があるでしょう。

対応できるデバイスやOSが少ない

例えば、会社のパソコンでしか学習できないeラーニングシステムの場合、就業中のパソコンに向かっている時間帯しか学習できません。
結果的に学習時間の確保が難しくなり、せっかくeラーニングを使っていても不便だと感じてしまう要因になるため、受講者が学習しやすい環境を整えましょう。

学習中に質疑応答やディスカッションができない

個々の都合に合わせて学習を進められることがeラーニングのメリットではありますが、学習中に気になった点や疑問点をすぐに解決できないケースがあります。
質疑応答ができない環境だと、学習者が疑問を解決できないまま学習が進んでしまい、最終的に理解が追い付かないまま終わってしまう可能性があります。

この問題は、Q&Aのまとめ、OJTや他の受講生とのディスカッションの環境構築、不明点をいつでも質問できる担当者を決めておくなどの対策で解決できます。

受講意欲・モチベーションの維持が難しい

eラーニングは、パソコンやスマホがあれば一人ひとりが自由に学習できるという点が大きなメリットです。
一方で、受講者個人の主体性や学習意欲に頼る部分があることから、人によってはモチベーションの維持が難しいのも事実です。
そのため、eラーニングを導入する場合、以下の点も考えた上でシステムを導入する必要があります。

  • ・どうしたら受講生の学習意欲を継続させられるか?
  • ・受講者がモチベーションを維持するにはどうしたらよいのか?

eラーニングの受講意欲やモチベーションを保つ方法については、次の章でご紹介します。


2.eラーニングを意味のある効果的な学習システムにするための対策


「eラーニングは意味がない」と感じる理由についてご紹介してきました。
ここからは、eラーニングを意味のある効果的な学習システムにするための具体的な対策をご紹介していきます。

eラーニングコンテンツの対策

eラーニング導入を効果的にするコンテンツ対策

適切な学習時間のコンテンツを提供する

eラーニングのコンテンツを作成する際、必要な情報をわかりやすく受講者に伝えるだけでなく、適切な長さになっていることも重要です。

長すぎるコンテンツは、受講生の学習意欲やモチベーションを下げてしまう原因になるだけでなく、まとまった学習時間の確保も必要となることから、結果的に学習効果を下げてしまう可能性があります。
コンテンツを作成する際は以下の時間を参考に情報量を調整しましょう。

  • ・コンテンツの長さは長くても15分程度までに止める
  • ・15分以上となる場合は複数のコンテンツに分ける

実践をイメージしやすいコンテンツを提供する

eラーニングは、「パソコンやスマホを使ってオンラインで学習する」というスタイルから、知識をインプットする学習方法がメインになりがちです。
そのため、覚えた知識を実際にどのように使うか?といった実践的な部分においては学習が難しく、「実務に就いた後には上手く知識を活かせない」というケースも少なくありません。

そこで、学習内容に合わせてコンテンツを使い分けていくことが有効な手段の1つになります。
eラーニング教材を作成・提供している会社によって作成できる教材は異なりますが、一般的には以下のような教材を作成できます。

  • ・アニメーション教材
  • ・ストーリー教材
  • ・シミュレーション教材
  • ・講習動画教材
  • ・CG教材
  • ・簡易作成型教材

例えば、ケーススタディの場合はシミュレーション教材、理解しづらい難しい内容はアニメーションや動画教材などを利用するとよいでしょう。
学習内容に合わせてイメージしやすいコンテンツを使用することにより、学習効果を高めることができます。

提供しているコンテンツが最新か確認する

eラーニングを導入した後は、定期的にコンテンツの見直しを行う必要があります。

  • ・eラーニングの内容が今の業務に役立つ内容になっているか?
  • ・古い内容のままになっていないか?

上記の内容を定期的に確認することで、実践に役立つコンテンツを継続して提供できます。
中でも、コンプライアンス関連の内容や法令に関する内容など、頻繁に変更があるものには注意しましょう。
古いコンテンツのまま受講者に渡してしまうと、学習内容の違いから混乱したり、重大なミスにつながるケースも考えられます。

定期的に見直しを行い、修正可能なコンテンツは修正を、情報の修正が難しいものは変更があった時点で破棄するようにしましょう。


eラーニングシステム(LMS)の対策

eラーニング導入を効果的にするシステムの対策

飛ばし見・流し見ができない機能があるLMSを導入する

LMS(Learning Management System)とは、学習管理システムのことを指し、eラーニングを管理・配信するためのシステムのことです。

eラーニングは個々で学習を進めるため、中には飛ばし見や流し見をして、内容をよく理解しないまま学習を進めてしまう可能性があります。
このような事態を防ぐための有効な対策としては、飛ばし見や流し見ができない機能があるシステムを導入するという手があります。

具体的には、
 ・アニメーションなどの学習コンテンツに早送り機能を付けない
 ・シークバーの操作ができないようにする
などが挙げられます。

LMSによって機能は異なるため、導入前にあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

対応できるデバイスやOSを増やす

対応できるデバイスやOSの種類によって、eラーニングの学習効果は大きく変わってきます。
例えば、会社のパソコンや社内のオンライン環境でしか学習できないeラーニングでは、就業中パソコンに向かっている時しか受講できません。

しかし、スマホやタブレットでも学習できるようにしておけば、移動中や自宅などからも受講でき、受講者生の自由なタイミングで学習を進めることができます。
LMSごとに対応できるOSは異なるため、これからeラーニングを導入しようと考えている方であれば、対応可能なOSは事前に確認しておくとよいでしょう。


eラーニング活用を推進するための対策

eラーニング導入を効果的にするための社内推進

LMSで学習を管理・サポートする

ほとんどのLMSは管理者側の「管理機能」と、受講者側の「受講機能」に分かれており、管理者が利用する「管理機能」には以下のような機能が挙げられます。

  • ・ユーザー管理機能
  • ・講座管理機能
  • ・成績管理機能
  • ・受講者全体へのお知らせ機能
  • ・レポート機能

その中でも「成績管理機能」は受講者の学習進捗やテストの実施結果などを見ることができます。
受講生の学習進捗を管理し、学習進捗が遅れている受講生がいた場合は、必要に応じて適切なサポートを提供しましょう。

eラーニングと他の学習方法を組み合わせる

他の学習方法と組み合わせることで、個人で行う単調な学習ではなく、学習にメリハリがつき、モチベーション維持の効果が期待できます。

例えば、eラーニングで基本的な知識を学び、その内容を実践できるようなOJTの場や、対面でしか実施できない内容を学ぶ集合研修の場を設けるなど、学習内容に合わせたブレンディッドラーニングを行います。

そうすることで、各学習コンテンツの欠点を他のコンテンツで補うことができ、学習効果を高め受講生の知識やスキルの向上に繋げることができます。

受講者のモチベーションを上げる

「受講者のモチベーションを上げたい」、「モチベーションが高い状態をキープしたい」という場合は、勤務評価にeラーニングに取り組む姿勢や成果を組み込むという方法もあります。
この場合は、eラーニング内で行う課題やテストに適切な合格ラインや評価方法を設けて、それを明確に伝えておく必要があります。

業務時間内に学習できる時間を作る

受講者のモチベーションに関連する内容ですが、実務に必要なeラーニングの実施の場合、業務時間内に学習できる時間を確保するのを忘れてはいけません。

もし、eラーニングを使用した学習時間が業務終了後など個人の時間で行うしかない場合は、早く終わらせることが目的の学習になってしまったり、内容をよく理解していないまま終わらせてしまうなど、効果のないものになってしまいます。
そのため、業務時間内にeラーニングシステムを使用して学習できる時間を設けるようにしましょう。

また、企業側でeラーニングの受講ルールを定め、そのルールを社員に通達・共有しておくことも必要になります。


3.まとめ

eラーニングは導入しても意味がない、eラーニングの効果を実感できないという失敗をしないために、そう感じる理由や対処法について解説してきました。

eラーニングは、自由なタイミングで学習を進められることから、管理者と受講者の双方にメリットのある学習スタイルです。
eラーニングの効果を実感するためにも、今回ご紹介した具体的な対策を参考にしていただき、eラーニングの導入・運用を進めていただければと思います。


この記事を書いた人
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i-netschool 編集担当

i-netschoolはeラーニング事業歴20年以上。これまでのノウハウをもとに、eラーニングに関するお役立ち情報を発信しています。

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