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2024.09.11

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「教育体系」構築の目的と作り方|作成の際に抑えておくべきポイント

企業の成長において、人材育成は重要な要素であり、そのためには社員への教育が欠かせません。そして、部署や役職によって役割が異なるように、社員に必要な教育の内容も異なります。
教育を効率的に実践し、効果を最大化するには「教育体系」を明確にすることが重要です。
この記事では、企業の教育体系について、構築の目的や作り方などを詳しく解説します。

1.教育体系とは?

企業で社員教育を行うにあたって、教育体系を明確にすることで、目的やゴール、必要な研修やカリキュラムが見えてきます。ここからは、教育体系がどのようなものかを詳しく解説していきます。

自社の教育の全体像を表した見取り図

教育体系とは、自社で行う教育の全体像を示した見取り図で、教育の指針になるものです。
通常は縦軸に役職や等級を置き、横軸に教育や研修の課程、習得すべきスキルや研修内容を表記します。
これにより、組織全体に必要な教育の概要を把握できるものになっています。

▼教育体系のイメージ例
教育体系の例

「教育体系」と「研修体系」の違い

研修体系は、企業で行う研修の全体像を示したものです。部署や階級別、テーマや研修形式別など、各研修を細分化して図に起こします。
つまり、研修体系は教育体系の一部として、社員教育に必要な研修の内容や実施形式などを具体的に整理したものになります。
教育体系を明確にして研修体系を整えることで、いつ、どの社員にどのような教育が必要なのか、そのためにどんな研修を行うかが分かります。


2.教育体系を構築する目的

教育体系を構築する目的

自社に適した教育体系を構築するためには、その目的と重要性について理解する必要があります。ここからは、教育体系を構築する目的について詳しく解説していきます。

自社の経営理念や経営戦略などを共有する

教育体系は、自社の経営理念をベースに、時代や環境に合わせた経営戦略の実現を目指して作成されます。
教育体系を構築し共有することで、経営理念や経営戦略への意識付けが可能となります。
自社のあり方や今後の展望を理解することで、社員全体が同じ理念や目的のもと、それぞれの業務に取り組むことができます。

教育内容を一律にし、安定的な人材育成を図る

社員教育は、常に均質化されていて安定的であることが重要です。年度によって教育内容が大きく異なったり、部署や担当者によって充実度に差があると、求める人材を育成できません。
教育体系を構築し教育内容を一律にすることで、全社員に明確な基準をもって安定的な教育を提供できます。
これにより教育のばらつきを防ぎ、均質なスキルや知識を持った人材の育成が可能になります。

教育指標ができることで長期的な人材育成に繋がる

教育体系を構築することで教育指標が定まり、社員の成長を評価する基準とキャリアパスが明確化します。
教育指標をもとにした客観的な評価が可能になり、適材適所にも役立ちます。社員にとっては必要な目標設定が具体化されるため、モチベーション向上につながるでしょう。
教育指針を明確にすることは企業と社員の双方にメリットがあり、長期的な人材育成による企業成長の支柱にもなりえます。

研修内容の見直しが行いやすくなる

自社の社員に必要な教育や研修を教育体系に落とし込んで可視化することで、研修内容の見直しがスムーズになります。
現状の研修内容が自社の目標達成に貢献しているか、あるいは目標達成に何が足りないかを把握できます。
不要な研修の廃止や研修形式の見直し、新しい研修の追加など、研修の改善や適正化に役立つでしょう。


3.教育体系の作り方

教育体系の作り方

理想的な教育体系の内容は企業によって異なりますが、一般的な構築の手順なども参考にしながら、自社に適した教育体系を作ります。

教育体系の作成手順は以下の通りです。

  1. 1. 現在のOJT制度を把握する
  2. 2. 教育したい人材を定義する
  3. 3. 必要な能力を設定する
  4. 4. 必要な学習内容を設定する
  5. 5. 学習方法を設定する

それぞれのステップについて、詳しく確認していきましょう。

1.現在のOJT制度を把握する

まずは、現在、自社で実施しているOJTを把握します。
OJTは、On the Job Trainingの略称で、実務を通して知識やスキルを習得する職業内訓練を意味します。業務に必要なスキルの多くは実務を経験することで習得するため、教育体系構築においてOJTの見直しは不可欠です。

対して、通常業務から離れて集合研修などで学ぶ方法をOFF-JTといいます。
OFF‐JTを活用することで、OJTでは得られない知識の習得や、より質の高いOJTの実現に向けて重要な役割を果たします。現状のOJTの内容を把握し、問題点や改善点を明確にすることで、より効果的かつ具体的な教育体系が構築できるでしょう。

2.教育したい人材を定義する

教育体系を構築するにあたり、自社が必要とする人材、社員教育を通して目指す人材を明確に定義することが重要です。
企業として求める人材と各部署やチーム内で求める人材の「解像度」は異なります。また、所属する部署や役職により必要とするスキルも異なり、それにより教育体系の内容も変わってきます。

誰にどんなスキルを求めるのか具体的なイメージをもつことで、必要な教育や研修の内容が分かり、中身のある教育体系の構築が可能になります。

3.必要な能力を設定する

例えば、新入社員の教育において「社会人としての基本をおさえ、自分で考えて行動ができる人材」を目標とした場合、必要な能力を考えてみます。

  • ・基本知識
  • ・自主性
  • ・思考力
  • ・行動力

簡単に表せば、上記のような能力が挙げられるでしょう。
このように、各部署・階級における目標とする人材のために必要な能力を抽出します。

4.必要な学習内容を設定する

目標とする人材育成のために必要な能力を把握したら、その能力を培うために必要なスキルや知識を挙げます。

先ほどの新入社員の例でいうと、基本知識を身に付けるためには一般常識やビジネスマナーを学ぶ必要があります。日常業務で求められる思考力を培うには、相手の立場に立って物事を考える視点や課題解決のための論理的な考え方について学ぶ研修が必要です。

自社の事業内容や業務内容に必要なスキルや要素も取り入れながら、具体的な学習内容を設定していきます。

5.学習方法を設定する

最終段階では、社員に習得させるスキルや知識をどのような形で学ぶか検討し、マッピングします。
例えば、一般常識やビジネスマナーは座学で学び、その後ロールプレイングを実施するなど。
スキル習得のために最適な実施形式を検討し、設定しましょう。


4.教育体系を作る際におさえるべきポイント

教育体制を作るときのポイント

教育体系を作る際には、今後の運用を見越した目線も必要です。ここでは、教育体系を作るうえでおさえるべきポイントを確認しておきます。

人事評価と直結できる環境を作る

教育体系は、人事評価と直結させる形で運用することが理想的です。
教育の成果が評価に反映されることで、社員のモチベーションが向上し、教育効果アップも期待できます。

作成した教育体系図は自社内で共有する

作成した教育体系図は、全社員で共有して理解を深めてもらうことが大切です。
教育担当者や幹部のみが教育体系を把握し、研修を整備させたとしても、受講する社員が全容を分かっていなければ、目的や意義が不明瞭になってしまいます。
全社員で共有することにより、社員が同じ目標に向かい、目的や内容を理解した上で学習に取り組むことができます。

時代に合った教育内容を組み込む

教育体系を見直すにあたり、時代に合った教育内容を組み込むことが重要です。

例えば、日常的に業務でPCを扱う職種でなくても、現代の社会において情報セキュリティへの理解は欠かせません。また、社員の何気ない言動やSNSの投稿で企業も炎上してしまう時代です。
コンプライアンスが厳しい現代において、社員一人の誤った行動が、大きなトラブルや企業の損失になります。

社員のスキル向上だけでなく、企業全体の「リスクマネジメント教育」にも注力し、新入社員研修などの段階から定期的に意識付けを行うことが重要です。
(関連記事)デジタルリスクが増加?リスクマネジメント研修の進め方と注意点
(関連記事)企業研修のトレンドは?おすすめの研修方法もご紹介!

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5.まとめ

この記事では、教育体系について概要と構築の目的、作成の手順やポイントを解説しました。

教育体系の構築は、企業にとって重要な取り組みのひとつです。
なぜなら、人材は「人財」とも言われる通り、企業を動かし成長させるために最も大切な財産だからです。大切な人材が活躍する場を設けるために、教育体系を整備し、必要な教育の可視化や具体化、教育効果の最大化を図りましょう。
教育内容や研修が増える中で、担当者・受講者の双方の負担を軽減する教育手法の選択も重要です。研修テーマによってeラーニングを上手く活用してみてください。

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この記事を書いた人
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