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コラム
学習効果を高めるeラーニングのポイント<選び方・教材作成・運用まで>徹底解説!
近年、社内研修の効率化や社員のスキルアップを目的に、eラーニングを導入する企業が増加しています。
eラーニングの需要の高まりに伴ってサービス提供会社も増えており、選択肢も豊富です。
しかし、製品によって適した利用目的や機能性、操作性などが異なるため、自社に合ったサービスを選択しないと充分な効果は得られません。
この記事では、eラーニングの選び方を中心に、導入時〜教材作成、運用までの気を付けたいポイントなどを解説します。
学習効果向上に役立つポイントもお伝えしますので、システム選びと導入後のイメージがつきやすい内容になっています。
eラーニングについて詳しく知りたい方は、こちらを参考にされてください。
>>eラーニングとは?システム選び~教材制作まで徹底解説!
【CONTENTS】
1.eラーニング選び方のポイント
まずは、どのような観点でeラーニングを選ぶと良いのか、選び方のポイントを詳しく解説します。
目的にあったeラーニングを選ぶ
eラーニングの利用目的・利用方法は企業によって様々です。
- 【例】
- ・eラーニングシステム(LMS)を活用して自社独自の教材を配信したい
- →教材制作の機能やサポートが充実しているLMSを選ぶ
- ・eラーニングコース(既存コンテンツ)を活用して、研修準備や教材作成の負担を減らしたい
- →受講させたいテーマの教材を提供しているeラーニングや、コースが豊富にそろっているeラーニングを選ぶ
コース利用が目的の場合は、サービスによっては、特定の分野に特化した教材を提供しているeラーニングなどもあるため、カリキュラムの内容は事前に確認が必要です。
eラーニングの選び方や、おすすめシステムが知りたい方はこちらを参考にされてください。
>>企業向けeラーニングシステムおすすめ8選。選び方も詳しく解説
長期的な運用を考えて選ぶ
導入目的にもよりますが、eラーニング導入後は長期的に継続して利用していくことが一般的です。
そのため、導入時の費用やシステムのスペックだけで判断するのではなく、先の見通しも考慮したうえで選ぶ必要があります。
長期的な運用を考えて選ぶには、以下を考慮しましょう。
- ・受講人数(プラン)を変更できる
- ・機能のカスタマイズができる
- ・教材の更新・追加が容易にできる
「将来的に受講する人数が増える」「必要な機能が増える」
などの場合に備えて、柔軟性・拡張性のあるシステムを選んでおくと安心です。
また、学習教材に関しては、新しいコンテンツの配信や教材の更新に対応したシステムを選ぶことで、導入後も常に最新の情報を配信できます。
自社に合った機能があるものを選ぶ
eラーニングシステムは、一般的な機能は基本的に備わっていますが、製品によっては利用できる機能が異なります。以下に、機能を選ぶ際の例を挙げていきます。
<既存のシステムと連携する場合>
既存のシステムとの連携を希望する場合は、対応可能かを事前に確認する必要があります。
<海外に関連する企業の場合>
海外拠点での利用や外国人従業員などへの研修機会が多い企業は、多言語対応のシステムが望ましいでしょう。
管理者・受講者側|両方の目線でも選ぶ
管理者として必要な機能があることは大切ですが、受講者の目線も忘れてはいけません。
eラーニングで学習を行い、知識を身につけるのは受講者であるため、受講者にとって使いやすくモチベーション向上につながるシステムであることも重要です。
管理者と受講者の両方の目線から、機能の必要性や操作性を比較して選びましょう。
学習管理がしやすいものを選ぶ
eラーニング導入後は、「部署によって異なるカリキュラムを組む」、「個人の進捗状況を確認する」などの管理が必要です。
管理機能が充実しているシステムでは、未受講者に受講を促すメールを自動送信する機能などもあり、管理者の負担を軽減してくれます。
また、学習者にとっても、「自分がどのくらい受講したのか」「あとどのくらいで完了するのか」を把握できると学習計画が立てやすく効率的です。
学習管理がしやすく使いやすいシステムを選ぶことで、「管理者は受講者の管理」を、「受講者は自身の計画的な学習」をスムーズに行えます。
学習評価ができるものを選ぶ
eラーニング導入後は、受講者がどのような成果を上げているか、実際の学習効果を測る必要があります。
受講者がせっかく充実した学習を行っていても、理解度が不明瞭だとeラーニングを導入した効果が見えてこず、今後の運用計画が立てられません。
「テスト機能」や「レポート機能」などの学習評価機能があり、学習効果を見える化できるシステムを選ぶことがポイントです。
また、テスト機能で受講者の理解度を確認することで、受講者が「ただ動画教材を再生しているだけ」、「内容を理解せず読み飛ばしているだけ」のような、形だけの受講を防ぐこともできます。
サポート体制が充実しているものを選ぶ
eラーニングを導入することで、これまでの社内教育や研修の管理方法が大きく変わる企業も少なくありません。
eラーニング導入後はユーザー管理や受講設定、自社独自のコンテンツを配信する場合は制作業務などが発生するため、規模によっては専任の管理スタッフが必要です。
専任スタッフの配置が難しい場合や、自社に教材作成のノウハウがない場合は、サポート体制が充実しているサービス提供会社を選ぶといいでしょう。
eラーニングシステムの運用や教材制作、業務の代行などをサービス提供会社に委託することで、自社の負担を軽減できます。
各社によってサポート体制が異なるため、事前にしっかり確認することをおすすめします。
マルチデバイス対応のものを選ぶ
近年は、PCだけでなくタブレット端末やスマートフォンで受講可能なeラーニングが増えています。
eラーニングがマルチデバイス対応であることで、様々なメリットがあるからです。
- ・現場や自宅、外出先でも受講できる
- ・PCの設置数が少ない拠点でも効率よく受講できる
製品によっては、端末に教材をダウンロードすることでオフラインでもコンテンツの再生が可能なため、インターネット環境がなくても学習に取り組めます。
スマホに対応したeラーニングを導入すれば、場所や持ち運びに困ることもなく、時間を有効に活用できるでしょう。
評価やレビューを参考にする
実際に、eラーニングを導入した企業の評価やレビューは、重要な判断材料になります。
各サービス提供会社のホームページなどでは、導入した企業の「業種」や「規模」もあわせてシステムの導入事例を紹介しています。
自社と比較した際に、「eラーニング導入の目的」が似ている例などを参考に、適したシステムを選定しましょう。
2.eラーニング導入のポイント
eラーニング導入を成功させるためには、ただシステムを選んで契約するだけではなく、導入の前後ですべきことがあります。
導入前には運用計画を中心とした準備と見通しを立てる必要があり、導入後は充実した学習ができるように環境を整えることが重要です。
ここでは、導入前と導入後におさえておくべきポイントを見ていきましょう。
導入前のポイント
導入前には、eラーニングを何のために導入するのか、そのために必要な機能は何かなど、具体的な課題と解決策を明確にすることが重要です。
自社の課題や現状を把握し、運用の見通しをしっかりと立てておくことで、eラーニングの導入を成功させることにつながります。
導入前には、以下のポイントを確認しておきましょう。
- ・学習の対象者を設定する
- ・導入目的を明確にする
- ・必要な機能を明確にする
- ・学習コンテンツを具体化する
- ・受講のルールや仕組みを整える
導入後のポイント
導入後には、導入前にシミュレーションした運用計画が円滑に進められるよう、環境整備が必要です。
目標を明確にし、学習計画や時間配分などを定期的に見直すことで、より充実した運用が可能になります。
導入後は、以下のポイントに気を付けていきましょう。
- ・学習の目標を立てる
- ・学習のタイミングを設定する
- ・学習者の習熟度に合わせてフォローアップする
上記の各ポイントの具体的な内容やeラーニング導入の流れについては、こちらを参考にされてください。
>>eラーニング導入を成功させるポイントは?導入前~導入後まで徹底解説
3.eラーニング教材作成のポイント
現在、eラーニングコンテンツを提供している会社は多くあり、教材も豊富に取り揃えられています。
しかし、自社の業務やルールに則した内容をeラーニングで学習させたい場合は、オリジナルの教材を作成する必要があります。
自社でeラーニング教材を作成する際は、以下のポイントを重視しましょう。
- ・分かりやすい教材(コンテンツ)にする
- ・学習効果を高める工夫をする
- ・配信や更新がしやすいように作成する
例えば、今まで紙ベースだった資料をそのまま教材にしただけでは、せっかくのeラーニングの機能を活かせていません。
社員の知識向上やスキルアップのためには、動画やアニメーション、ナレーションなどをうまく取り入れた教材を制作し、自社の事例やケース等の理解を深めるコンテンツを盛り込む事により、高い学習効果が得られることが重要です。
そして、新しい情報をすぐに反映させられるよう、配信や更新のしやすさも重視すべきでしょう。
上記のポイントの具体的な内容やeラーニング教材作成の流れを知りたい方は、こちらを参考にされてください。
>>eラーニングの作成方法は?教材作成の流れやポイントを解説!
4.eラーニング運用のポイント
eラーニングは、導入したら終わりではありません。
導入後の運用次第で教育や研修の質が大きく変わるため、「どう運用していくか」で社員の知識やスキルの伸びにも差が出るのです。
eラーニングの効果を最大に発揮するために、運用において押さえるべきポイントは以下の通りです。
- ・受講者の反応に合わせて教材を改善していく
- ・実践的な研修と組み合わせる
- ・学習環境を整える
- ・受講者情報をきちんと管理する
eラーニングの基盤となる教材の品質は、最も重要な項目のひとつです。
学習内容に合わせて改良を加えながら、より学習効果の高い教材を提供していく必要があります。
また、受講者が学習に集中できる環境整備や管理体制も重視したいポイントです。
5.eラーニング受講管理のポイント
eラーニング導入後は、LMS(eラーニングシステム)を用いて受講管理を行います。
ZOOMなどのツールを利用すれば簡単にオンライン研修を実施できますが、学習の進捗や成績を管理できる機能を活用できることが、LMSのメリットの一つと言えます。
受講管理のポイントは以下の通りです。
- ・学習進捗を確認する
- ・受講率を高めるために、未受講者へのフォローを行う
- ・テストやアンケート、課題レポートの実施・集計を行う
- ・受講者の評価・成績を管理する
eラーニングの学習効果を把握し、今後の運用と社員のスキル向上に活かすためには、目的や計画に則した受講管理が重要です。
6.eラーニングの学習効果を上げるポイント
eラーニングでの学習効果を上げるには、教材の品質を高めることの他に、受講者の学習意欲を高めることも意識しましょう。
ここからは、受講者が学習に集中し、真剣に取り組むためのポイントを解説します。
学習意欲をアップさせる工夫をする
受講者の学習意欲が高いほど、学習に対する姿勢は真剣になり、eラーニングでの学習効果も高まります。
そのためには、学習意欲を高めて維持させる工夫が必要です。
ラーニングアナリティクス
ラーニングアナリティクスとは、受講者の行動や学習の成績などのデータを分析する技術のことです。
分析結果は、個々に合った学習状況や課題に対する学習支援、より良い教材の制作のために活用されています。
データ |
内容 |
活用例 |
学習成績 |
テスト結果や問題の正答率 |
弱点克服のためのサポート |
進捗状況 |
カリキュラムの進行具合 |
未受講者への受講促進 |
所要時間 |
1つの教材の学習にかかった時間 |
学習時間の最適化 |
ゲーミフィケーション
ゲーミフィケーションとは、学習体験の中にゲーム要素を取り入れることです。
受講者が学習に “楽しく” 取り組めるようになり、モチベーションアップにつながります。
例 |
内容 |
効果 |
レベルシステム |
学習成績や進捗状況に応じてレベルを設ける |
自身の成長が見える化しレベルが上がることで、達成感を得られる |
ランキングシステム |
受講者の学習時間や進捗状況をランキング化する |
他の受講者との競争意識が生まれ、モチベーションが高まる |
バッジ取得システム |
課題クリアやレベルアップに応じてバッジを進呈する |
学習の達成感、学習意欲を高める |
適切な学習時間を把握する
学習効果は、eラーニングに多く時間を費やせば得られるというわけではありません。
教材の所要時間が長かったり、1日に何時間も行ったりすると集中力が切れてしまうため、逆効果です。
例えば、次のような点に気を付けて学習計画や教材の制作を行いましょう。
- ・1日あたりの学習時間
- ・学習効率を高める時間配分
- ・1つの教材の所要時間
eラーニングに関する具体的な時間の管理方法は、こちらで詳しく解説しています。
>>eラーニングの効果を高める「受講時間」について解説!集中力が保てる時間は?
7.まとめ
この記事では、eラーニングのポイントを様々な視点から解説しました。
eラーニングは、導入するだけで社員の知識向上やスキルアップが保証されるものではありません。
目標とする学習効果を得るためには、自社に合ったシステムを選定したうえで見通しを立て、計画的に運用していくことが大切です。
i-netschool(アイネットスクール)では、システムの導入から運用に合わせたカスタマイズ、学習効果の高いオリジナル教材の制作が可能です。
20年以上の経験から培ったノウハウで、お客様の不安を解消するアドバイスも可能ですので、お気軽にご相談ください。
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i-netschoolはeラーニング事業歴20年以上。これまでのノウハウをもとに、eラーニングに関するお役立ち情報を発信しています。